ブログ内マスメディアと、マスメディア人のブログ
ガ島通信さんからのトラックバックで、週刊!木村剛のエントリ、[BLOG of the Week] これが新潟県中越地震の真実だ!のことを知りました。
内容そのものだけでなく、木村氏が読者に断り無く訂正を入れたことが、大きな反響を呼んでいます。
おかげさまで、大変多くの興味深いエントリを拝読することができました。ガ島通信さん、ありがとうございます。
ちょっと論点がずれるかもしれませんが、心に浮かんだことを幾つか書きます。
週刊!木村剛は、ブログの世界の中では、既に「マスメディア」として扱われているのかもなぁ、と思いました。マスメディアに代わるものとして、多くの人に期待されている。反響の大きさは、期待の裏返し。多忙だからといって少しでも手を抜くと、あっと言う間に多くのブロガーの批判にさらされる。木村氏にとっても有意義な経験なのではないでしょうか。
余談ですが、週刊!の一読者として、最近、あまりに記事の数が増えすぎて戸惑っています。木村氏のエントリだけでも思い切って原点の「週刊」に戻して、個々のエントリの質を上げる方向に転換しても良いのではないでしょうか。あくまで一読者の感想ですが・・・。「とにかく読者の期待する量をこなさなければ」というプレッシャーが、今回の「事件」につながった気がしています。勝手な推測ですみません。
一方、新潟県中越地震を報道するマスメディア・・・。私は現地に行っていないので、どういう状況なのか、正直分かりません。自己批判する十分な材料を持っていないので、多くを語ることはできない。逃げるようで申し訳ありません。
ただ、一般論として、いつも悩み、結論が出ないことがあります。
メディアを職業とする者の宿命。それは、常に傍観者でなければならないこと。傍観者として眺め、その内容を広く伝えることが、社会の中で生かされている理由だからです。何か起きている事態のまん中に奥深く入りこんでしまうと、冷静に伝えることが出来なくなる。入り込んで一緒になって活動すると、伝えるために割く時間がなくなる。
極端な例ですが・・・たとえば戦場で。目の前で逃げ惑う人を助けることと、逃げ惑う人たちの様子をカメラに収めて広く世間に伝えること。どちらがメディアを職業とする者の使命かと言えば、後者なのです。
記憶に残り世論を動かす報道写真や映像。目の前で起きていることに手を差し伸べようとする人は、決して撮影することはできません。
いったいどこまで傍観者たるべきなのか。自分の使命と、良心と、好奇心と、色々なものを天秤にかけ、取材していく。そんなことを常に真剣に自問自答しながら取材にあたっているメディアの人間も、いるのです。
・・・とはいえ、そういう者が多数派なのだと、胸を張って言えないところが、今のマスコミ不信に結びついているのでしょうね。
追記:筆がすべって偉そうなこと書いてしまったので追記しますが、ゆびとまは常にそんなテンション上げて取材をしている訳ではゼンゼンありません。まあ、たまに、悩むわけです。「傍観者よりも行動者になるべきなのではないか」「いやもっと傍観者に徹するべきでは」と思うことが、時々あるわけです・・・。
註:上記に触れた記事以外に、あざらしサラダさんの「勇み足」ではないだろうかと、電脳東京さんの語られぬ事実にもトラックバックしました。トラックバックしたい記事は山ほどあったのですが・・・集中力の限界が来てしまいました。
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Comments
文章でも写真でも映像でも、決して本当の生の真実を映し出すことはできないのだろうと、趣味程度に関わってきた者でも思います。私の場合、作品はすべて私の脳内フィルターがかかった後の結果として出来上がりましたから。
だた、現代社会は「見る(WatchもLookも含めて)」ことにとても重きを置いている社会だな、ということも感じます。
マスメディアが「より多くの人に見せる」ことを目的とするものならば、その「より」のラインの考え方が今よりもずれた社会をいつか、見てみたいと思っています。
私にとっての初コメントでした(送るのも受けるのも)。ありがとうございました。
Posted by: phyllo | October 31, 2004 at 04:34 AM
ゆびとまさん、記事を読んでのTBありがとうございます。
私も指摘を受けて記事を訂正したり削除することがあります。
人間である以上ミスもあるし、指摘されて初めて気付くこともあるので、訂正そのものは賢明な措置だと思いますが、注釈ぐらいした方が良かったでしょうね。
この件について冷静に見ている方もいますが、あまり深く考えないで煽られている方もいるようです。
ただし、数少ないかも知れませんが(本当は多いか少ないかも分かりませんが)まっとうなマスコミの方まで批判しているように受け止められるのが心配です。
Posted by: あざらしサラダ | October 31, 2004 at 08:56 AM
phylloさま
初コメント、ありがとうございます!
>文章でも写真でも映像でも、決して本当の生の真実を映し出すことはできない
「生の真実」は、人によって違うのではないかと思っています。「事実」は誰が見ても同じなものだけれども、その積み重ね方によって「真実」はいかようにも変わってしまう。そんな気がしています。
あざらしサラダさま
>まっとうなマスコミの方まで批判しているように受け止められるのが心配です。
木村さんは、「そんな心配してほしいなどと頼んでないぞ」と思うのでしょう(笑)。自分に対する絶大なる自信とものすごい覚悟がなければ、竹中ブランでのあれほど凄まじい戦いを戦い抜くことはできなかったと思います。本当に、一人の男の人生として、あれだけのことを成し遂げたというのは、それだけで、私なんかの一生の何百倍もの働きをしたんではないかと思う。
木村氏の行動や言うことすべてに対し、聖人君子を期待する方が間違っているのでは?彼はビジネスマンだし、自分が商売人であることを強く意識していて、損得をきちんと計算しながら動こうとしています。気を付けて読んでいると、彼なりに「ポジショントーク」してるところが時々あります。日本振興銀行に関係することに過剰反応するのは、そんな「損得」に関わる部分がきっとあるのだろうと思うし。
そんなこんなを踏まえた上でも、やはり木村氏の言葉は面白いし、刺激になる。なので、ゆびとまは、きょうも週刊!の「ヲチ」を続けてしまうのです。(覚えタテのネット言葉を使うのが楽しい、まだまだ初心者気分の抜けないゆびとまでした)
Posted by: ゆびとま | November 02, 2004 at 06:13 AM